「生活の中にジャイアンツがいた感じ」。G選手を支えた名物おでん屋さんに球団から感謝状。球場内に店の再現コーナーも
2025/07/02
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「生活の中にジャイアンツがいた感じ」。G選手を支えた名物おでん屋さんに球団から感謝状。球場内に店の再現コーナーも

 かつて読売ジャイアンツの練習拠点だった多摩川グラウンド(東京都大田区)の近くで、名物のおでんで選手に活力を与え、憩いの場にもなっていた「グランド小池商店」に7月2日(火)、読売巨人軍から感謝状が贈られました。

 多摩川グラウンドは、長嶋茂雄さんや王貞治さんらスター選手がここで成長し、「V9」をはじめ、ジャイアンツの栄光の歴史と伝統を築いてきました。選手にとって鍛錬の場であるとともに、ファンにとっては選手を間近で見られることから、気軽に声をかけたり、サインをもらったりして交流が生まれる場でした。新ファーム球場のジャイアンツタウンスタジアム(Gタウン)は、その精神を受け継ぎ、多摩川グラウンドをモデルにしています。

 ジャイアンツの「心のふるさと」とも言える場所のそばで、選手たちを温かく見守ってきたのが小池商店です。先代の後、長女の高橋文子さん、夫の晴夫さん、三女の三浦京子さんが切り盛りしてきました。店内には、歴代の名選手のサインや写真、グッズが壁いっぱいに飾られていました。2024年12月、体力的に厳しくなったことを理由に、70年にわたる店の歴史を閉じましたが、貴重な品々を巨人軍に寄贈してくれました。

 この日のイースタン・リーグ「ジャイアンツ対スワローズ戦」は「多摩川グラウンドデー」として開催され、レジェンドOBの堀内恒夫さんがトークショーで多摩川時代の思い出を披露。イベントに合わせて、Gタウン内には小池商店の一角を再現したコーナーが設けられ、高橋さんらは試合前のグラウンドで、堀内さんから巨人軍の感謝状を、桑田真澄・2軍監督からは記念品の目録を手渡されました。

 再現コーナーを見学した文子さんは、昔を振り返りました。「神々しくて近寄りがたく、母(小池まつさん)が応対していた」という長嶋さんがいつも注文するのは、おでんとファンタグレープ。最後まで飲まずに「おばちゃんにあげる」と言うと、近くにいたファンが「おばちゃん、ずるい」と、飲みかけのファンタをほしがったそうです。

 中学生の頃、帰宅すると、選手たちが店の奥の居間まで上がり込んで、テレビを見ながらゴロゴロしていることがよくあったそうです。自分の部屋に戻るには居間を通らなければならず、「生活の中にジャイアンツがいたという感じでした」と懐かしそうに笑っていました。

 小池商店の一角を再現したコーナーは、旧選手寮の通称「松井部屋」の畳等とともに、近日中に公開する予定です。詳細は後日、お知らせします。